Turkish Pottery, 2016

Turkish Pottery, 2016

2010/09/15

男木島①



男木島(おぎじま)は、斜面に民家が密集している島だ。海から眺めた風景、それは造形の美。写真家の石川直樹さんが「島は山だ。」と言っていたことを思い出す。どこからも海が見渡せるので、海がより近くに感じられる。でも炎天下の男木島の路地は、日当たり抜群で日陰がほとんど無いので、アート巡りは結構ハードだった。
そんな中、バケツいっぱいの水を持ってきてくれた島のおばちゃんがいた。「冷たい井戸水汲んできたから、タオル絞ってき。熱中症になったらあかんよ。」って。優しいおばちゃんは、みんなが座れるようにベンチを庭先に出したり、暑さで具合が悪くなった女の子を家で休ませてあげたりしていた。男木島には、なんてステキな人がいるんだろう!

アイスを買った商店のおばちゃんから聞いた話。
島には中学校がひとつあるけど、生徒は中学3年生が3人だけで、来年の春に休校になることが決まっている。島の子供たちは高校生になったらどうするのかと聞いたら、高松の学校だったらフェリーで通学できないこともないけれど、高校の寮に入ったり親戚の家から通う子もいる。部活なんかやったら最終のフェリーに間に合わないから、そんな場合はお父さんが漁船(!!)で迎えに行くんだそうだ。「フェリーは時間かかるけど、漁船やったら高松まで10分よ。」とおばちゃんは笑う。 親が車で駅まで子供を送り迎えする感覚と同じなんだと思う。私の田舎と一緒だ。車が船で、毎日通う道が海。改めて、瀬戸内の人たちにとって海は日常の一部なんだなあと感じた。

島のおばちゃん話、もう1つ。
石垣の影を見つけて休憩していたら、近所のおばちゃんもやってきて一緒に日陰ぼっこ。ずーっと男木島で暮らしてきたおばちゃん。坂道ばっかりで大変じゃない?って聞いたら「足腰が弱かったら、島で生きて行けんよ。」だって。島のじいちゃん・ばあちゃんは皆、たくましい。
今日、東京に住んでいる孫が夏休みで遊びにくるから、アイスでも買っといてやろうと思って。
さっきのフェリーだと思ったら違ったみたい。たぶん次の便で来る。
そんな話を聞いていたら、私も茨城のおばあちゃんに会いたくなった。