Turkish Pottery, 2016

Turkish Pottery, 2016

2014/10/31

Oasisを結成






















Oasis展にて。
私にとってのOasisは、ロック座標軸の「0」です。
ロック体験の始まりであり、原点です。

2014/10/21

赤メガネの会 合宿


















いつも東京の夜の片隅で開催されている読書会「赤メガネの会」。
このたび合宿が開催されました。
泊りがけで、とことん本を読み、とことん本について語る行事です。
今回の合宿地は、多くの文豪が愛した湯河原。


















湯河原にちなんだ小説ということで、課題図書は夏目漱石『明暗』(新潮文庫)が選ばれました。病によって未完となった漱石最後の作品です。
旅先との期待して読み始めたものの、湯河原が出てくるまでが長い。その上、大どんでん返しが起こりそうな予感を残して終わってしまうので「タイトルの明暗は何を意味しているのか?」「再会した2人の結末は?」「一番共感を覚えたのは誰?」と話が盛り上がりました。

夏目漱石は『門』以来2回目の課題図書。
展開を急ぐ読者をよそに、短いセリフ1つに至るまでの心情描写は恐ろしいほど徹底的。嫁と義妹の「ああ言えばこう言う」が繰り返されるシーンは、主人公の津田より前に私が逃げ出したい気持ちになりましたが、それでも最後まで読まされてしまうのだからすごい。
個人的には、湯河原でこのあとひと悶着あると思っているので、漱石が取り掛かっていたのはかなりの大作だったのではと予想します。この続編を何人かの作家が書いているので、それも読まなくては。
非常に重厚で、手に取るたびに試されているような気がする。今回もなんとか読み切りましたが、漱石を充分味わえる読書力を身につけたい。


















タイムテーブルには、同じ空間にいながら各々読書にはげむ「読書タイム」があります。いつもの読書会にはない合宿ならではの時間。沈黙に響くページをめくる音、本を読んでいるメンバーの横顔が見られるのがとても好きです。






















宿を出たあとは、湯河原にちなんだ俳句が楽しめる文学スポットを散策し、読書の秋を満喫して帰ってきました。
今は、松山で読み切れなかった『坊っちゃん』に取り組んでいるところです。

2014/10/08

ミヒャエル・エンデ『モモ』

















待つんなら、いくらでもできるもの
―ミヒャエル・エンデ『モモ』岩波少年文庫

大学生の時に図書館で借りて初めて読んで「エンデの言うとおりだ!」と大興奮し、これからも必要な本だからと思い、本屋さんで買って本棚に置いてありました。
今回、読書会「赤メガネの会」の課題図書でやっと再読。

節約した時間はどこに行ったのか。
無駄を省くことによって失っている豊かさがあるのではないか。
「うんうん、そうだよね」と読み進めましたが、当時と同じ興奮を味わうことができなかった自分に、ちょっとショックを受けました。
もしかしたら、エンデの警告をしっかり守れる大人になれたからかもしれません。
でもひょっとすると、エンデの警告を受け止められない大人になってしまったのかもしれません。
今の自分を映す鏡のような作品なのか。どうなんだろう。また時間をおいて自分を映してみたい。本棚には何冊か定期的に読み返したい本がありますが、今回の再読により『モモ』はその1冊になりました。


時間をケチケチすることで、
ほんとうはぜんぜんべつのなにかをケチケチしているということには、
だれひとり気がついていないようでした

読書会では、「無駄な時間」についても話が盛り上がりました。
相手と一度も顔を合わせることなくメールのやりとりで仕事ができてしまう便利な時代。でも、書類の受渡しのときの何気ない会話から次のアイディアが浮かぶこともあるよね。それは果たして無駄な時間のだろうか。誰かということは重要でなく、効率と生産性だけが求められる緊張感。思い当たるエピソードが次々に出てきて私も頷く。
きっと番組でも同じだ、と考える。野菜と同じように「有機的」に作られたものはいつも受け取る人に心地いいものなのだと、腹の底から納得する。

それから、前回は「聞く」ということがとても心に残ったけれど、
今回は「待つ」ことについて考えさせられました。
次々に用件を述べ、順序良く話すことを求め、せっかく再会したのにモモの話を聞くことができなかった登場人物たち。すぐに答えを求めていないだろうか。話が終わる前に勝手に推し測ってしまっていないだろうか。会話に十分な余韻があるだろうか。
最近ちゃんと読書が出来ていないのは、きっと辛抱強く「待つ」ことが出来なくなっているからだ。(反省)

やれやれ、読書の秋。