Turkish Pottery, 2016

Turkish Pottery, 2016

2011/02/01

A Marrakech boy



列車に揺られること4時間、マラケシュに到着。
まずは、この写真の説明をしないとね。男の子がタジンを前に、こちらにスマイルを送っている件について。

モロッコの都市は、新市街と「メディナ」と呼ばれる城壁で囲われた旧市街で構成されていることが多い。そしてモロッコらしさを味わいたいたいなら、断然メディナに行くべきだ。けれどもこのメディナは、7世紀にアラブ人が侵入してきたときに作られたため、道が細い上に迷路のようにクネクネしている。そんなマラケシュのメディナで、やっぱり迷子になっていた時、私に声をかけてきたのがこの男の子だ。
彼は「アブドゥル」。22歳。マラケシュの大学で英文学を専攻する大学生。あまりに流暢な英語で「そっちには見るところはないよ。どこ行きたいの?」と言ってきたので、ふと足を止めた。道端で数分話しているうちに、「良ければ、僕のバイクで行きたいところを回ってあげるよ。」という。ライセンスを持たないガイドが客引きをしてくることがあるとも、はじめは親切だけど最後に金品を要求してくる「ハスラー」と呼ばれる男性がいるともガイドブックに書いてあったので、「いくら?」と聞いたら、「そんなのお金は要らないよ、海外から来た人と話すのはたのしいから。」という。私はあんまり知らない人を信用するタイプじゃないけど、モロッコ初日で現地の情報が欲しかったし、直感で「彼はいい奴そうだ。」と判断し、「じゃあ、私がランチをおごるってことでいい?」となったわけだ。

確かに、複雑なスーク(市場)をバイクですり抜けられたのは本当に助かった。アブドゥルのおかげで執拗な客引きに捕まることもなく、欲しいものが現地価格で買えたし、夜のジャマ・エル・フナ市場にも出かけられた。彼の通うマラケシュの大学のキャンパス見学まで!(ありがとう。)
それに信じたとおり、彼とはいい友達になれた。
初めてのムスリムの友達なので、疑問に思うことを率直にいろいろ聞いてみたのだけど、アブドゥルが教えてくれた彼らの文化にまつわる話で一番強烈だったのは、やっぱり男女の恋愛の話だ。

「もし彼女が出来て彼女の家に遊びに行っても、2~3時間で帰ってこなきゃいけないんだよ。それ以上いたら彼女のお母さんが僕を出禁にするから。女の子は結婚するとき絶対バージンじゃないといけない。初夜に花嫁は白いトラウザーを履かせられるんだ。翌朝、新郎のお母さんが血が付いてるかどうか調べてにきて、付いてなかったら結婚破棄。そういうこともあって、モロッコでは彼女と付き合うのは大変なんだよ。でもそれは全部、女の子を思ってのことなんだ!」

・・・それでは、ここでアブドゥルのバイクで巡るマラケシュのスークをお楽しみ下さい。