Turkish Pottery, 2016

Turkish Pottery, 2016

2014/09/27

Sam Lee @ 代官山 山羊に、聞く?
























山羊皮のかばんで来てしまったことを、とても後悔。
くるりの京都音博へ出演していた、Sam Leeのショウケース・ライブに行きました。

12月にリリースになるアルバムの一片が垣間見られるライブでした。
舞台に置いてあったのは、なんとお箏。
柔らかく、軽やかで、バイオリン、ハルモニウム、パーカッションというフォークの中に溶け込むような音。日本人にはまったく思いつきもしないであろう弾き方で、(一応、私も免許皆伝なのですが)次々に引き出されるお箏の新しい表情に、心底羨ましく思ってしまいました。西洋音階の調律だそうです。弟子入りしたい。

Sam Leeは、伝統音楽に深い尊敬と厳格さを持っている一方で、その伝統を軽々と飛び越えて自分のスタイルに昇華させてしまうテクニックとセンスを持っている、不思議なアーティストです。

彼が情熱を注いでいるプロジェクトが、漂流民(トラベラーズ)の歌のアーカイブ。音源がweb上にアーカイブされていて、誰でも聴けるようになっています。(リンクが今見つからないのですが)
イギリスには「イングリッシュ・ジプシー」「スコティッシュ・トラベラーズ」「アイリッシュ・トラベラーズ」と大きく分けて3つのグループがあるそうです。そのトラベラーズの人たちに頼んで収録させてもらった歌が250曲アップされていて、準備段階のものは1800曲も!
研究熱心ですよね、と言ったら「でも、ぼくのやっているのは机の上でやる気難しいものじゃないよ」と笑っていました。

Samの音楽探究における興味がトラベラーズにとどまらないことは、登場する楽器の数々からも分かります。ステージで抱えていた不思議な可愛らしい木の箱は、インドの古いハルモニウム(それなあに?と訊いたら「ぼくのラップトップ」と言っていた)で、歌の合間にはさらりとホーメイをやって見せたと思ったら、こんどはポケットから口琴を取り出してびよんびよんと鳴らす。不思議道具がいっぱい飛び出してくる楽しいステージでした。

そんなSamは、12月の来日ツアーでまた戻ってきますよ。楽しみ。

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さて。滞っているものを、なんとか押し流したく思う秋。
代謝も、積読も、積聴も、ブログも。