Turkish Pottery, 2016

Turkish Pottery, 2016

2011/02/26

旅に持ってきてよかったもの

旅も終盤、カサブランカに向けて出発。フェズからは列車で4時間ぐらいなので、ここぞとばかりに本を読む。日本から持ってきた5冊の文庫本のうち、すでに4冊は読み終わっていて、帰りの飛行機で映画を堪能するためにも、モロッコにいるうちに最後の1冊を読んでしまおうと思っていた。

限られた荷物ながら、どの本を持っていこう?と相当悩んだんだのだけれど、澁澤幸子さんの旅行記は旅の気分にピッタリだった。行きの飛行機で一気に旅モードになって、一人旅をする勇気とパワーがチャージされた気がする。それから江國香織さんの短編は、ホテルの部屋であっという間に読み終わった。さらっと読めるような短編も旅先ではいいかも。

そう!持ってきてよかった物といえば「アロマキャンドル」。暗くなってから一人ではあまり出歩けないので、夜はホテルで本を読んだりして過ごすのですが。知らない土地にいるときって案外気が張っているもので、ベースキャンプであるホテルの部屋にいつもの匂いがするというのは、思っていた以上に癒されました^^ アロマキャンドル、激しくおススメ。

さて、話はカサブランカに向かう列車に戻ります。

列車がメクネス駅に停車して、私がいるコンパートメントに男の子が乗ってきて向かいの席に座る。私、本を読む。彼も本を取り出して読む。目があって少し話すと、彼はセネガル人で名前はバッケ、メクネスの防衛大学に留学中なんだという。「セネガル人って、初めて会った!」「ほんと?Akonって知ってる?セネガル人なんだよ。」「あ、そうだね。知ってる知ってるー!」みたいな話をする。
ふと彼の手元にある本に目をやると、『Vol de nuit』と書いてある。フランス語なのに、どっかで見たことある綴りだなぁ・・・と、しばらく考える。Nuit・・・nuit・・・夜・・・。

さて。その答えは私が持っていた本の表紙にあった。



じゃーーん。

なんと、彼が読んでいたのは、まさに私が読んでいたサン・テグジュペリの『夜間飛行』だった!たまたま同じ車両に乗っていたセネガル人と日本人が、偶然にも同じ本を読んでいるなんて!!!「サン・テグジュペリ、すげー!!」とお互いびっくり。(笑) なんでその本読んでるの?と聞くと、「中学生ぐらいの頃読んだ本だけど、どんな話だか忘れちゃってもう一回読もうと思って。」と彼。「これは、なにかの縁だ!」と思って、連絡先を交換。バッケとは、終点のカサブランカ駅でバイバイし、帰国してからfacebookでつながりました。

サン・テグジュペリのお蔭で、セネガル人の友達ができるなんて。この旅に一番持ってきてよかったものは、この本かも。

Fes, a handcraft city










マラケシュと並んで世界遺産に指定されている都市:フェズは、ハンドクラフトの町。メディナの路地に並ぶ扉を開ければ、真鍮細工、陶磁器、織物、革製品などのさまざまな工房を見つけることができる。最近では、古い邸宅を買い取って改装し、高級リヤド(ホテル)にしたり別荘にしたりする外国人が多く、実はインターナショナルな街なんだと、ユネスコで働く建築家の人が言っていた。
迷路のようなスークは、マラケシュよりも複雑に思える。店が並ぶ通りも楽しいけれど、人が住んでいるエリアの細い通りを探検するのも面白い。道端で子供たちがサッカーをして遊んでいたり、半分開いたドアから生活の音が聞こえてくる。
フェズでは、怪しい男の人に声をかけられたり、悪ガキに説教したり、いろんなハプニングがあったけど、奥深く美しい街でした。

収録。



事務所VASPのスタジオにて、ナレーション収録。
3月から吉祥寺の「サンロード」商店街で、私の声が流れます。ふふふ。
吉祥寺に遊びにいったら、耳を澄ましてみてね。

2011/02/16

モロッコのうまいもの

モロッコの料理は、日本人の口にも合っておいしかった!
旅で食べたものを、一挙ご紹介。
 ハリラ@ダデス渓谷
 魚介のフライ@カサブランカ
アボカドシェイク@カサブランカ
 パスティラ@フェズ
 クスクス@ワルザザート
 タジン@マラケシュ
 タジン鍋@マラケシュ
 ブロシェット@フナ市場

サハラ砂漠





私たちを乗せた車は、平らな大地にのびた一本道を、「翼があったら飛べるんじゃないか」というスピードで走る。ごろごろしていた石が小さくなり、赤かった大地の色がだんだん変化し、遠くに盛り上がった砂漠が見えてくる。アスファルトの道が、道なき道になり、砂煙を上げながらガタゴト走ることどれくらいだったか。モロッコ最果ての町、メルズーガに到着。サンセットの中、ラクダに乗り換えキャンプを目指す。

砂漠って静か。ラクダの足音と私たちの話し声のほかは、風の音くらい。風の気まぐれが作った滑らかな砂の山は美しく、いくつ丘を越えても、ただ砂漠がみえるだけだった。遠い昔、砂漠を渡ってきたキャラバンの人たちは、何十日もこの果てしない景色の中を旅していたんだよなあと、ラクダの上で思う。

夜。サハラに行ったら、今までで一番きれいな星空を見たいと思っていた私。
星降る夜とは、まさに。天の川も流れ星もすぐそこにあって、宇宙に手が届きそうな感じ。となりにいたHibaが言う。「あの星を1個、ポケットに入れて持って帰れたらいいのにね。」
砂漠の地域で天文学が発達したというのは、なるほどそうだろう。アイト・ベン・ハッドゥで、古物商のおじさんが「ベルベルGPSだ。」と星を計るコンパスを見せてくれたのだけど、星を読むことが出来なければ、砂漠を渡ることも出来ないのだ。



夜8時ごろ。砂の地平線から月が昇ってきた。月の出(と言うのだろうか?)を見たのは初めて!知ってた?月ってまぶしいの!黄色い光を放ちながらぐんぐん昇って来ると、今まで見えていた東の空の星が消えて見えなくなってしまった。
「月を恐れて、星がいなくなっちゃったんだよ、トミー!」とHiba。
ほんと、月は圧倒的にパワフルな星。




食事を終えた後は、焚き火を囲んで太鼓をたたいて、みんなで踊った。(笑)
星に見とれて、ミントティーに酔って、アラビアンナイト最高!

2011/02/14

Happy Valentine's day!

女の子から、チョコもらっちゃいました☆アリガトウ!!
バレンタインは、なんだかんだ毎年ウキウキするね^^
今日は、おやつに事欠かない一日でした。
しかも、夜になって雪がじゃんじゃん降ってきた!
ホワイトバレンタインでさらにテンション上がるっ!!
私は今年、お世話になっている方にチョコをあげました。
フェアトレードの「People Tree」だよ。手書きのイラストのパッケージが、さりげなく可愛いの。
みんなにLOVEを。

2011/02/11

モネとジヴェルニーの画家たち



Bunkamuraザ・ミュージアムで開催中の「モネとジヴェルニーの画家たち」を観に行ってきました。
ジヴェルニーは、クロード・モネがあの睡蓮の庭を作り上げ、40年以上にわたり作品の制作を行った田舎の村です。 モネが移り住むと、そこは世界各国の芸術家たちが集う「芸術家村」になったのですが、多かれ少なかれ、みんなモネの影響を受けながら自らの作風を発展させていったんだなーということが分かるのが、今回の企画展です。

モネに習って積み藁を被写体にしてみたり、影の部分に青紫色を使ってみたり。その時間の光や色を映しこんだような、ディテールのぼけた絵も多数。描いた場所も、画風も似たり寄ったりなので、ずらっと並んだ絵を見ていくうちに、ジヴェルニーを散歩しているような気分になります。 ただ、印象派を踏襲する中にも、それぞれの画家の実験の跡や個性があってとても興味深いです。
たとえば、ジョン・レスリー・ブレックという画家は、時間を変えて、同じ構図の積み藁を12枚も描いています。光や色の移り変わりを研究していたんでしょうね。彼はきっと、真面目くんです。
セオドア・アール・バトラーは、ルノワールのようなタッチで人を描きましたが、使った色はお互いが反発しあうようなビビッドな色。彼は、ちょっととんがった性格かもしれません。

アーティスト同士の交流も、さぞ面白かったのだろうと想像しますが、ジヴェルニーはもともと人口300人ほどの田舎。そこに300人以上の画家が押し寄せたというのだから、住人はびっくりですよねぇ。自分の住んでいる村が、いきなり芸術の最先端になってしまって。
畑に刈り取った藁を積んだら、画家がスケッチブックを持ってやってきて、「すばらしい!」と言いながら積み藁の絵を描きはじめるという。
きっと村の若い娘さんなんかは、散々モデルをやらされたんでしょうね。(笑)
中には、「ちゃんと食べなさいよ。」なんて言いながら、貧乏画家にガレットを差し入れしてあげる、気前のいいお母さんがいたかもしれません。

絵を見ながら、越後妻有のような光景を想像してしまった^^

今は観光地になっているという、モネが愛したジヴェルニー。
パリから80kmと遠くないので、いつか訪れてみたいなぁ。