Turkish Pottery, 2016

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2012/09/10

第39回赤メガネの会

 

 
 
 読書会が開催されました。
 
今回の課題図書は、村上春樹『風の歌を聴け』講談社文庫。「春樹の夏」になっている私の希望で、村上春樹のデビュー作&群像新人賞受賞作をみんなで読みました。
 
「この話は1970年の8月8日に始まり、18日後、つまり同じ年の8月26日に終る」
 
21歳大学生の「僕」が海辺の町でビールばっかり飲みながら、友人の「鼠」やレコードショップで働く女の子と過ごした夏が描かれている作品です。
 
 
春樹が世界で評価されている理由とは何でしょう?
 
「ユニバーサルな文章だから」という意見に私は納得。
世界各国どんな文化の人でも同じ意味で理解できる言葉選び、つまり日本人ならではのわびさび的表現でないので、翻訳しやすいのではという意見があがり、ふむふむ。どこか淡々とした印象を受けるのは、そういうことなのかも。
舞台になっている海辺の街、私は神戸っぽいと思ったのですが、別にロサンゼルスでもハワイでもよさそう。どこか海外っぽい感じもするんです。

 
 
それじゃあ、熱狂的な村上ファン=ハルキストが多い理由とは?

これはまだはっきりした答えがわかりません。
ほかの作家が扱うテーマでも、違う見方をさせてくれるというのはそうだと思う。
現実なのにどこか非現実なというか、浮世離れしたといったらいいのか、そんなところをどう受け止めたらいいのか、まだハルキストになりきれない自分がいます。もちろん雰囲気では楽しめるのですが、それだけではハルキストの皆さんが「春樹最高!」となる理由としては不十分なのではないか。世界の村上が「雰囲気モノ」であるはずはない!
まだ数作品しか読んでいないので、ここはストイックに答えを追い求めていきたいと思っています。

・・・もしかしたら、すべてを与えてくれないところが、ハルキストを増殖させる要因なのか?
そんなことを思いながら、これから青春3部作の3作目『羊をめぐる冒険』に取りかかります。
まだまだ私の「春樹の夏」は続きそうです。