Turkish Pottery, 2016

Turkish Pottery, 2016

2012/08/03

塩田千春《家の記憶》

◆塩田千春《家の記憶》2009


こへび3日目。

大好きな塩田さんの作品の中で1日過ごせるというのは、幸せなことです。
受付をしながら、空いた時間には板の間に大の字にねそべって作品を眺めたり、本を読んだり、うとうとお昼寝をしたり。幸せな時間でした。

この作品に使われた黒い毛糸の全長はおよそ44km
「ここから長岡まで行けちゃうわねぇ」と驚いているお客さんもいました。


張り巡らされた記憶の糸。記憶にがんじがらめにされている感じもするし、
記憶が住人を失った家を守っている感じもする。

糸の中に編みこまれたのは地元の皆さんの「いらないけれど捨てられないもの」。
それらもまた記憶によって存在することを許されている。

今日作品を見に来たご夫婦の会話。
「長く置いておけば、ほこりが付くだろうね」
「それはそれでいいわね」

時が流れてもなお、留まることができるというのはあたたかいこと。