「うわっ」
「えぇー?!」
「おお~っ」
読んでいて、おもわず何度も声を上げてしまった一冊。
伊坂幸太郎『フィッシュストーリー』(新潮文庫)
最近人から薦められたので手に取ってみました。伊坂作品はこれが初。
本屋さんの小説コーナーでは必ずと言っていいほど、東野圭吾さんと平積みの陣地争いをしていますが、納得です。
中篇4作からなるこの『フィッシュストーリー』。同一人物が別のお話の中にも登場していたり、物語を読み解くヒントとして謎のアイコンが出てきたり、時代や視点を変えて同じものを描いていたり。構成がとても巧妙で、ぐいぐい引き込まれます。仕掛けの多さは、ピタゴラスイッチ並み!(笑)
一回目を読み終えて、まだすべてのトリックがわかってないような気もするので、もう一回読みます。
しかも解説に、「作品間でリンクしたところがあるのも嬉しい擽りになっている」と書いてあったので、他の作品も読まずにはいられなそう。 みなさん、こうやって伊坂ワールドにハマっていくんですね。
個人的には、仙台が舞台になっているのも惹かれるポイント。初めてラジオのお仕事をした思い出の場所なので、「アーケード」とか「東口のコンビニ」とか言われると街の景色も匂いも蘇ってくるのです。
東京よりも早く紅葉し、東京よりも遅く桜が咲く街。
何冊か読み終えたら、いやむしろ伊坂作品を読みに、仙台行きたいなぁ。