高橋治希「SEA VINE」
海が見える窓から波が入り込んでくるような作品。「あれ、TVのモニターじゃないですよね?」と尋ねる人がいるくらい、この窓が本当に美しい。窓にはガラスがはめ込んであるのだけど、海からこちらに向かって風が吹き込んで来ているような感覚がある。そして、天井からテグスで吊るされている波は、なんとすべて陶器で出来ている!繊細かつダイナミックなこの作品に、思わずため息。不在だった空き家の魂が、風に乗って舞い戻ってきたみたい。
白い花や葉の中には、海から見た瀬戸内海の風景が描かれていて、じっくり探すと工場や瀬戸大橋も見つけられる。OZマガジンにも大きく取り上げられていた高橋さんのこの作品は、男木島アートの中でも一番人気。ちなみに、「午後の明るい時間帯に窓の真正面から」というのが作者のオススメ鑑賞方法だそう。
真正面もいいけれど、私のオススメは横から。
躍動感が感じられるのと、吊ってあるテグスが見えるところが好き。
じつは、こえびの監視用椅子からのアングル。
ここに椅子を置いたのは偶然だったのだけど、まさに特等席だった!