乗ろうと思っていた成田行きのバスにタッチの差で乗り遅れ、成田エクスプレスでなんとか間に合ったという旅行開始早々のハプニングがあり、私は早くもぐったりしていたのだが、旅好きなくせに飛行機が初めてという母は、窓の外に見える世界各国の夜景に、初めての機内食に、エティハド航空のしましまの毛布に、とにかくすべてに対して終始テンションが上がりっぱなしだった。
今回の旅は、久々の母娘旅。しかも、家族と海外に行くのは意外にも初めてだ。(母も父も弟も皆、それぞれには海外に行ったことがある)
まずは、トルコ国内をカッパドキア~コンヤ~パムッカレ~イスタンブールと時計回りに周遊。その後、アラブ首長国連邦のアブダビに1泊して、「Abu Dhabi Art 2012」というアートフェスを見物する予定になっている。
空港から中心部へ向かうメトロはわりと近代的で、市内を走るトラムヴァイ(路面電車)も使い勝手がよく、イスタンブール市内を観光するのに少なくとも移動に困ることはなさそうだ。
まずは「オトガル」と呼ばれるバスターミナルで、今夜乗るギョレメ(カッパドキア)行のバスチケットを購入。1人60TL=2700円だなんて驚くほど安い。
ターミナルの周辺をバス会社のカウンターがずらっと囲んでいて、おじさんたちが熱の入ったダミ声で「ギョレメ、ギョレメ、ギョレメ~~」という様に、各々の行先を叫んでいた。活気があるのは大変よいと思うのだが、オトガルに来る人は自分からチケットを買いに来ているのだし、そんなに競合はないはずだから、そもそも叫ぶ必要はないのでは?と小さな疑問が浮かぶ。いや、もしかしたら「じゃあ、今からカッパドキア行っちゃおうかな♪」とノリでチケットを買ってくれる人も結構いるんだろうか。
威勢の良いバス会社のカウンターにバックパックを預け、ようやく身軽になった私たちはイスタンブール市内を散策する。あまり時間はなかったけれど、ガラタ橋では素晴らしい夕日に出会えた。橋の上からはたくさんの釣り糸が垂らされ、向こう岸に建つモスクは時々刻々とそのシルエットを濃くしている。
トルコに来て初めてのチャイを飲み、眺めのいいレストランで食事をとり(食べ物編はまた後日)、1kg 15TL=675円のピスタチオを500g買って、イスタンブール20:30発の深夜バスに乗り込んだ。飛行機・バスと夜行移動つづきだけど、まだ適度な緊張感と高揚感があり、あまり疲れを感じない。
さて母は。
慣れない外国の料理に少し眉をしかめていたけど、今のところ大丈夫そうだ。よし。