地方都市に出かけると、その土地の美味しいものと美術館を楽しまずには帰れません。
仕事がてら名古屋市美術館で観てきたのは、「青木野枝|ふりそそぐものたち」。
青木野枝さんは、越後妻有の「大地の芸術祭」(中里)や、瀬戸内国際芸術祭(豊島)でも出品している作家さんで、多くの作品が「水」をモチーフに制作されています。しかも素材は「鉄」なんです。
瀬戸内では、豊島という島に湧水が出ている場所があるのですが、地元のお母さんたちが水仕事をする共同井戸端の近くに設置されていたのが青木さんのオブジェでした。
真夏のアートめぐりはとてもハードで、あまりの暑さに、私は首に巻いていた手拭いをこの湧水で濡らしたのです。その時のひんやりとした水の温度が、夏の記憶の断片として、今でも鮮明に残っています。
今回は作品の設置場所が美術館の真っ白な展示室なので、また違った表情。
儚く、もろく、不安定。上から下に伝ってくる水の流れ。下から上にのぼっていく気泡。
まさかこれが、鉄で作られているなんて。
階段のホールにも水玉をイメージした装飾が。水をイメージした版画も素晴らしかった。
乾燥した冬の空気が、水の粒子で満たされていき、
そのうち水の中に沈んでいるような感覚になる企画展。
特別展「青木野枝|ふりそそぐものたち」は、2館同時開催。
名古屋市美術館が12/16(日)まで。
http://www.art-museum.city.nagoya.jp/tenrankai/2012/aoki/
豊田市美術館が12/24(月)まで。
http://www.museum.toyota.aichi.jp/exhibition/2012/special/aokinoe.html
http://www.art-museum.city.nagoya.jp/tenrankai/2012/aoki/
豊田市美術館が12/24(月)まで。
http://www.museum.toyota.aichi.jp/exhibition/2012/special/aokinoe.html
豊田市美術館に行けなかったのが非常に残念・・・。
青木野枝さんは、来年8月から開催の「あいちトリエンナーレ2013」でも出品するそうなので、こちらの作品もどんなものになるのか、楽しみに待ちたいと思います。