Bunkamuraザ・ミュージアムで開催中の「モネとジヴェルニーの画家たち」を観に行ってきました。
ジヴェルニーは、クロード・モネがあの睡蓮の庭を作り上げ、40年以上にわたり作品の制作を行った田舎の村です。 モネが移り住むと、そこは世界各国の芸術家たちが集う「芸術家村」になったのですが、多かれ少なかれ、みんなモネの影響を受けながら自らの作風を発展させていったんだなーということが分かるのが、今回の企画展です。
モネに習って積み藁を被写体にしてみたり、影の部分に青紫色を使ってみたり。その時間の光や色を映しこんだような、ディテールのぼけた絵も多数。描いた場所も、画風も似たり寄ったりなので、ずらっと並んだ絵を見ていくうちに、ジヴェルニーを散歩しているような気分になります。 ただ、印象派を踏襲する中にも、それぞれの画家の実験の跡や個性があってとても興味深いです。
たとえば、ジョン・レスリー・ブレックという画家は、時間を変えて、同じ構図の積み藁を12枚も描いています。光や色の移り変わりを研究していたんでしょうね。彼はきっと、真面目くんです。
セオドア・アール・バトラーは、ルノワールのようなタッチで人を描きましたが、使った色はお互いが反発しあうようなビビッドな色。彼は、ちょっととんがった性格かもしれません。
アーティスト同士の交流も、さぞ面白かったのだろうと想像しますが、ジヴェルニーはもともと人口300人ほどの田舎。そこに300人以上の画家が押し寄せたというのだから、住人はびっくりですよねぇ。自分の住んでいる村が、いきなり芸術の最先端になってしまって。
畑に刈り取った藁を積んだら、画家がスケッチブックを持ってやってきて、「すばらしい!」と言いながら積み藁の絵を描きはじめるという。
きっと村の若い娘さんなんかは、散々モデルをやらされたんでしょうね。(笑)
中には、「ちゃんと食べなさいよ。」なんて言いながら、貧乏画家にガレットを差し入れしてあげる、気前のいいお母さんがいたかもしれません。絵を見ながら、越後妻有のような光景を想像してしまった^^
今は観光地になっているという、モネが愛したジヴェルニー。
パリから80kmと遠くないので、いつか訪れてみたいなぁ。