(写真は、ギャラリーのサイトより)
初の写真集リリースを記念しての展覧会で、彼女が長年撮り続けてきた中で選りすぐりの作品が展示されています。
作品は全部モノクロ、被写体は作者と同世代の男の子(ヌード)です。
2部屋に分かれていて、1つは男性の顔写真、もう一つは男性のお腹や背中、顔、すねなど、体のパーツの写真が飾られています。
あらかじめ断っておきますが、全然いやらしさがない。ヌードって聞くと「えっ?!」ってなると思うけど、体のライン、筋肉、腕の血管などが光と陰でやんわり浮かび上がって、むしろちょっときれいだった。
いやらしくない理由その1は、カメラと男の子の距離。友達よりは親密な関係だけど、それ以上は踏み入れないというギリギリのラインが守られている感じ。それでいて、すね毛や肌のゴワゴワしたテクスチャーがはっきり見えて、汗のじっとり感が伝わってくるような距離感、絶妙です。
いやらしくない理由その2は、だれの裸かわからないから。
顔と体が別々に切り取られているからこそ、現実感が薄れて冷静に見られる。
「でも、男の子を脱がして写真を撮っちゃうなんてどんな女の子なんだろう?」そう思っていたら
、ギャラリーにご本人が。お人形さんみたいな、かわいらしい方でした。私と同世代。写真にいやらしさがない最大の理由は、この方が撮ったからだ!と納得。
「じつは、顔とパーツで同じ人のものがあったりするんですよ」とも教えてくれましたが、まぁそこはあえてマッチングしないことに。(笑)
女子目線の男子ヌード、ありだと思います。
中村早写真展 「THE BOY」
2012年9月29日(土)- 10月21日(日)
12:00 - 20:00 月曜休廊
会場 / photographers' gallery(新宿)
http://www.pg-web.net/