松代エリア蓬平にある《いけばなの家》は、9人のいけばな作家がそれぞれの作品を展示している古民家です。このおうちには池もあって、今回はその周辺にも作品が展示されています。
いけばなの家ではありますが、生花はありません。
木、さらしほうきぐさ、ビニールひもなど様々な素材を使ったインスタレーションです。
空間の使い方は、さすがいけばな作家さん。みごとに古民家と同化しています。
作品番をしていると、だんだん自分自身に家が日本家屋の主になったような気分になって、お客さんがいないときには玄関に打ち水をしてみたり、雑巾がけをしたりしながら1日を過ごしました。
出来るだけ多くの作品をまわるというのも芸術祭の一つの楽しみ方ですが、気に入った作品があればそこで腰を下ろしてのんびり時間を過ごしていくというのもありだと思います。
北川フラムさんが「アートはこどもみたいなものだ」と言っていましたが、作品も人と同じで一緒に時間を過ごしてみないと素顔が見えなかったりする。フレンドリーな作品もあれば、無口な作品もある。その時の天気や太陽の傾きで表情はコロコロ変わっていく。
作品やその空間に馴染んでいく感覚というのは、時間をかけてこそ味わえる贅沢です。