Turkish Pottery, 2016

Turkish Pottery, 2016

2012/08/13

瀧澤潔《津南のためのインスタレーション ―つながり― 地中でそっと暮らしているもの》

◆瀧澤潔 《津南のためのインスタレーション ―つながり― 
                     地中でそっと暮らしているもの》

こへび4日目。
この日は津南エリアにある瀧澤さんの作品でアート管理をしました。

一見足を踏み入れがたいこの建物、元々は着物工場だったんです。
十日町における3大着物メーカーの一つ「関芳」が、染色をしたり機織りをするための場所として昭和40年頃に建てたのだそうです。

作品番をしていると、この建物を建てたというおじいちゃん(81歳!)や、この工場でかつて働いていたという方がご来館。まるで記憶を辿るように、懐かしそうに観て行かれました。

かつて絹織物の産地として栄えた越後妻有エリア。地元の方とお話していて気づくのは、着物生産に携わったことがあるという方がとても多いということです。私の実家でもかつて結城紬のための養蚕をしていたこともあり、当時のエピソードをいつも興味深く伺うのですが、それにしても、こんな大規模な工場で着物を生産していたなんてすごいですよね。






そういう場所なので、この作品も「服」つながりなのではないかと思います。

お客さんの中に、5歳くらいの女の子がいました。
照明が暗いので、怖くてなかなか踏み入れられず、入り口でもじもじ・・・
しまいには「ふぇーん」と泣きだしてしまったのですが、お父さんに抱っこされて半ば強引に鑑賞。そしたらケロッとしていた顔で戻ってきました。「こわかった?」って聞くと、大きく首を振って「スヌーピーがいたの」と笑顔。女の子のお父さんによると、どうやら作品に使われた服の中にスヌーピー柄のTシャツがあったので、「ここは怖くないぞ」と思えたのだとか。(笑)




8月に入り、家族みんなで遊びに来てくれるお客さんも増えてきています。
そして子どもたちは、お父さんお母さんよりも作品の持つ空気にとても敏感です。
受付をしながらどんなリアクションをするのか密かに楽しんでいるのですが、中には飽きてしまう子も。なので、小さいお客さんにもアートを楽しんでもらえるように、作品のクイズを出したり、質問をしたりして、実はこへびもいろいろ工夫してるのです。

子どもが騒いだり作品を触りそうになったりするのが心配で美術館に連れて行かないというお父さんお母さん、もしかして多いんじゃなかな。そうだとしたらすごくもったいない。楽しむためのちょっとしたヘルプをしてあげるだけで、子どもたちの目はキラキラ輝くのにな。それにきっと、「アートって面白い!」って思えれば、騒いじゃいけない理由も、触っちゃいけない理由も自然と理解できるはず。

「大地の芸術祭」は子ども大歓迎で、中学生以下は無料ご招待です。
そのうえ、「子どもパスポート」なるものもご用意しています!
子どもたちにとっても、芸術祭が忘れられない夏の思い出になればいいな。



この風鈴は、3年前にはなかった作品。
地元の子供たちの素朴な質問や悩みに、訪れた人たちが答えるというもの。
質問回答を読んでいると、おもしろくて時間が足りなくなります。
もう一つ新作があるけれど・・・・しゃがんで覗き込んだ時の発見を楽しんでほしいので、写真は載せないでおきます。

この日、偶然にも瀧澤潔さんとお会いできました☆
作家さんとお会いできるのは、こへびをやっていて一番うれしい瞬間です。