社会的にも妾だとか、芸妓だとか、女優だとか娼婦だとか、
弄ぶための特殊な女性を作りながら、
反対にたまたま一人か二人の女性が男性を弄ぶと
妖婦だとか毒婦だとか、あらゆる悪名を負わせようとする。
それは男性の得手勝手です。我儘です。
わたくしは、そうした男性の我儘に、一身を賭して反抗してやろうと思っていますの。
―菊池寛『真珠夫人』文春文庫
かっこいいー!!!!!
第52回赤メガネの会の課題図書で読みました。
そして、この内容が大正時代に新聞連載されていたというのがすごい!
当時は、相当センセーショナルだったんだろうな。
588ページの長さを感じさせない大衆文学。大正ロマンな装丁もすてきです。
『文藝春秋』の創刊や、芥川賞・直木賞の創設した菊池寛、
この機会に読めてよかった。
気に入ったので、右の本棚にも並べてあります。