Turkish Pottery, 2016

Turkish Pottery, 2016

2012/06/24

『アラブ・エクスプレス展』





 
『アラブ・エクスプレス展』が開催されています。
 
おもしろいです!おススメです!
普段あまり現代アートを見ない人でも、作品自体のメッセージ性が強くてわかりやすいのできっと楽しめます。

あなたは「アラブ」と聞いて何を思い浮かべますか?
砂漠? 戦争? 油田? 黒いベールに身を包んだ女性? 
ドバイの建築? イスラム教の礼拝? 

そもそも「アラブ圏」と言っても「アジア」と同じで、一括りにするには広すぎるし多種多様な地域だと思うんです。アラブ圏に属していてもアラビア語を話さない人もいるし、イスラム教以外の宗教を信仰している人もいる。国によって食べているものも習慣も文化も違う。だからこそ、アラブ世界の様々な表情を一つ一つ手に取っていくことはとても面白い!と思うのです。

私はアラブ世界に対して「怖い」とか「異様」とか「でも魅惑的」とか勝手な先入観を持っていて、それ故なかなか足を踏み入れる勇気が持てませんでしたが、去年モロッコとカタールを訪れたのをきっかけにすっかり魅了されました。
西欧やアジアにはない強い個性と、イスラム文化の奥深さ。好きです。

 
この企画展は、主にアラビア半島を中心としたアラブ諸国のアーティストの作品を展示しています。でも中にはアラブ国生まれだけど北米で活動しているというアーティストや、生まれは違うけどアラブ国在住というアーティストの作品もあるんです。
いろいろな視点から表現されていながらも、展覧会全体としては不思議と統一感があるのが面白い。その土地の文化はもちろん、アラブ圏で起きている紛争や、宗教的なジレンマ、急速に近代化していく中での社会の諸問題を鋭く突くような作品が多く、タブーにかなり踏み込んだようなものもあります。

もちろんキュレーションあっての企画展だとは思いますが、「アラブの春」が起こった後というタイミングも大きいのではないかと感じました。作品からはアーティストたちの「発信者」としての使命感が感じ取れるし、ジャーナリスティックな面を持つアートも多いです。

なかでも、原油を模した黒い水が噴き出ている”Black Fountain”は衝撃的でした。
東京の夜景をバックにそうくるか!という驚き。

ぜひ会期中に訪れて、アラビアン・アートのパワーを感じてください。

ところで。
アブダビにルーブル美術館が建設中って知ってました?
私はパンフレットで初めて知りました。
どれだけお金があるんだ、UAE・・・!!

アラビアン・モダンアートの「今」が垣間見られる『アラブ・エクスプレス展』は、
六本木ヒルズの森美術館で10月28日(日)まで。

2012/06/23

映画『眠れぬ夜の仕事図鑑』




今日は明治学院大学で行われた、ドキュメンタリー映画『眠れぬ夜の仕事図鑑』の試写会に行ってきました。

涙あり笑いありを期待して映画館に足を運んだ人は、もしかしたら困惑するかもしれません。
ナレーションやBGMはいっさいなく、スクリーンに登場するのは、日が沈んだ後も昼間同然に働く様々な職業の人たち。例えば国境を監視する人、こどもSOSのカウンセラー、棺を火葬する人、パーティー会場でビールを注ぎ続ける人、国際会議をしている人、その通訳をしている人、介護施設でお年寄りに寝返りさせている人。
こういった人たちの姿を、固定カメラが唐突に、鋭く、淡々と映し出す強烈な94分間でした。

世の中には本当に様々な職業があるのだなあ感心すると同時に、現代社会の「便利・安心・快楽」はこういう人たちに支えられていているのだと気づかされます。

さて、そもそもこの人たちは夜働く必要があるのか?

煌々と照らされた電灯の下で働く人たちの姿を通して、この映画は現代社会の過剰さを浮き彫りにしているように私は感じました。

もちろん収入の面で、だれしも働く必要はあります。必要不可欠な夜間の仕事もあります。その上で、いくつもの選択肢がある中で、自分自身はどんな風に働きたいか。もっと大きく言えば、どんなライフスタイルが理想なのか。
観る側にいろんなボールを投げてくるような作品でした。

試写の後には、文化人類学者の辻信一さんと、映画監督の海南友子さんのトークショーがありました。お二人の印象に残った話。
 
海南さん「家に持って帰って、例えばお風呂に入りながらゆっくり熟成させる時間が必要な作品。なぜこの編集になったのか。監督の意図を想像しながら観た」

辻さん「近代化とは、電灯を使って夜を植民地化すること。夜は非生産的な時間のはず。僕らはどれだけ働いているんだろう。夜を取り戻してはどうか。」

辻さんの「夜を取り戻す」ことについては、今年10年目を迎えた「100万人のキャンドルナイト」ともつながるところがあります。

2007年公開『いのちの食べ方』のニコラウス・ゲイハルターが手掛けた最新作『眠れぬ夜の仕事図鑑』。電力について思うことも多い中、728日(土)シアターイメージフォーラムにてロードショー。

2012/06/18

赤メガネの会合宿 in 箱根

読書会「赤メガネの会」の第3回合宿に行ってきました。
場所は箱根の強羅にある温泉旅館。
雨の箱根は、咲き始めたアジサイや初夏の緑がきれいでした。

通常の読書会はあらかじめ読んできた本について感想を話すのですが、合宿ではそれとは別に本を読む時間=読書タイムがあります。


同じ空間にいるのに、黙々と読書。
ページをめくる音、箱根登山鉄道のガタゴトという音、滝の落ちる音、木々が揺れる音。
この時間が、実は合宿で一番好きだったりします。
私は読書タイムに村上春樹の『海辺のカフカ』を読んでいました。主人公の15歳の少年が旅に出るところから始まるこの作品、旅先で読むのもなかなか良いです。

人に話すと「結構ストイックだね」とよく言われますが、スポーツのごとく読んで話して読んで、本漬けの2日間。おうちを出たときから合宿は始まっていて、箱根までの電車の中でも読書をしましょうという決まり。なので赤メガネの会の合宿はいつも現地集合なのです。


今回はこの7人が参加☆読書して騒いで食べて飲んで温泉入って観光して、充実した合宿となりました。合宿で読んだ本の感想はまたあとでアップします。

2012/06/13

君の名前は

スナップエンドウ?

スナックエンドウ??

2012/06/10

Made in JapanのFire King!!

1940年代~1970年代にかけてアメリカで生産されていたレストランウェアFire King。
色も形もデザインも様々で、キャラクターや企業のロゴがプリントされたものまでそのパターンはおそらく100は超えるのではというほど。お気に入りを探すのが楽しいアンティークアイテムとして、レアなデザインのものはプレミアがついたコレクターズアイテムとして、世界中に多くのファンを持ちます。

1976年に製造終了後、35年の沈黙を破って、なんとここ日本で復刻されたのですっ!!!!
うれしくて、うれしくて!さっそく買いに行きました。


あれこれ迷った結果、この子たちが私のおうちにやってきました☆
いろいろ大興奮!!!!事の重大さを、説明させてください。

①新品!
まず、Fire Kingは30年以上生産されていないので、今まで私たちが新品を手にすることはまずなかったのです。未使用品は「デッドストック」と言い、プレミアがついて高値で取引されます。値段も状態も出品者によって様々。なのでピカピカのFire Kingを定価で買うなんて初めてなのです!

②バックスタンプ
Fire Kingはアメリカで生産されていました。Fire Kingはバックスタンプで年代を見分けるのですが、今回の復刻版ではマグの底に"Haritage- Made in Japan"と書いてあるのです!今回の復刻でFire Kingの歴史が一つ作られたことを思うとジーンとします。
文字のレイアウトもセンスいいしね!

③スヌーピー柄!!
プレミアが付きやすいのは、生産数が少なくて人気がある柄。特にミッキーとスヌーピーのマグは、Fire Kingファンのみならず、ディズニーやスヌーピーのコレクターもほしいアイテム。よって高値で取引されています。今回の復刻では生産数限定でスヌーピーやディズニーのマグも作られました。憧れのスヌーピーマグが手に入れられるなんて、夢のようです・・・☆
ちなみに、このレインボーも復刻を記念した柄だそうで。道具は使ってこそ価値があると思っているのでどんどん使うけど、50年後にはこの2つのマグの価値が2~3倍ぐらいになるのではないかと踏んでいます。

Fire Kingは集める楽しさもあるけれど、道具としても洗練されています。
レストランやエアラインで使われていたほど丈夫で、ミルクガラスが光を通すのでコーヒーがとてもおいしそうに見えます。Fire Kingの魅力は普段使いしてこそわかるのだと思います。

宝物がまた増えました。大切に使います☆

Fire King Japan HP: http://fireking-japan.com/

2012/06/08

村上春樹『風の歌を聴け』


『海辺のカフカ』を英語訳で読み始めたものの、語学力が至らないのか、世界観についていけなかったのか、多分どっちもで挫折して以来の村上春樹。

読んだのは 村上春樹 著『風の歌を聴け』講談社文庫。
よかったです。好きでした。

1970年の夏をビールばっかり飲んで過ごしている男の子の青春を切り取った、村上のデビュー作。この海辺の町はどこなんだろう?神戸かな?

真夏の夕暮れに、港町にあるバーで、ライムを絞ったコロナを飲みながら読むことをおススメします。きっと忘れられない夏になるに違いない。

2012/06/04

稲の種まき

明日6/5は、二十四節季の上では「芒種=稲や麦など穀物の種を蒔く時期」だ。地域によって、またほかの作物との兼ね合いによって種まきの時期は違うけれど、私の地元では、今年は5/24に稲の種をまいた。

「手伝いに行くからね」と言っていたものの、なかなか日取りが決まらない。やきもきして、決まるのはいつかと聞いたら、母から「前日の夜かな」と返信が。たしかに、ベストなタイミングというのは気温の上がり具合や天気によって変わるのだから、人間様の都合でまいてもいい米は作れない、ということを学ぶ。

稲葉家の人々は、先祖代々自分の家で作ったお米を食べてきたので、私自身もタイでタイ米をお土産に買った以外はお米を買った経験がないのだけれど、いつも食べている米がどんな過程を経て作られているのか実はよく知らなかった。なので今年は、26歳にして種まき初参加。

我が家の米作り総監督である父の指示で作業スタート。
稲作はまず、種を水に浸すところから。


種まきの日に、種をむしろの上に広げ天日で乾かす。この時点で種は芽が出かかっていた。

















 これが種まき機。苗箱がベルトコンベアーで流れていく間に種→水→土の順に落ちて、種まきが自動で完了、超便利!一見「なんだ、機械でやるなら簡単じゃん」と思ってしまうのだが、稲の種まきは、その土の入った苗箱を重ねたり並べたりする作業が実は力仕事でとても大変。苗箱を並べ終わえるまで、大人5人、半日かけての作業だった。

これで、あとは芽が出てくるのを待って、数センチに伸びたころに植え付けをするそうだ。

自然が相手だから、きっかり何日後に植えればいいとか、種を何キロまけばどれだけ収穫できるなどというマニュアルはもちろん一切ない。そんな中、品種や種の量や作業日を自分のさじ加減でパッパと決めていく父を、ちょっと尊敬した。もちろん毎年のことだから、経験から大体こんなところというのはあるのだろうが、その感覚、私も欲しいと思った。

農ガール、まだまだ新米。